認定看護師の出願に必要な「履歴書」の書き方を、分かりやすくまとめました。 どの教育機関にも共通して使える内容で、初めて準備する方でも安心して進められます。 書き方のポイント、記載例、提出前のチェックリストまでまとめていますので、 これから出願準備を始める方や、仕上げの確認をしたい方は参考にしてください。
① 履歴書の書式・フォーマットを選ぶポイント
履歴書は教育機関ごとにフォーマットが指定されている場合があります。
まずは募集要項を確認し、指定様式があるかどうかを確かめてください。
指定様式がない場合は、市販のシンプルな履歴書(JIS規格に準ずる形式)を選ぶのがおすすめです。
写真欄や学歴・職歴欄が十分なスペースを確保しているものを選ぶと、記載がしやすくなります。
② 基本情報欄の書き方(住所・氏名・連絡先)
履歴書の基本情報欄は、出願書類の中でも特に確認されやすい部分です。
記載内容に誤りがないことはもちろん、読みやすく整った形式で入力されているかが大切になります。
多くの認定教育機関では「指定様式(Word形式)」が配布されており、
フォーマットやフォントがあらかじめ決められている場合があります。必ず募集要項に従って作成してください。
【フォント・文字サイズの注意】
・指定されたフォント(例:MS 明朝、MS ゴシックなど)がある場合は必ずそれを使用します。
・指定がない場合は、既定のフォントを変更せずに使用するのが無難です。
・文字サイズは 10.5pt 前後が最も読みやすく、指定テンプレートにも合いやすいサイズです。
・部分的にフォントやサイズを変えると統一感が失われるため、基本情報欄は全て同じ設定に統一します。
【氏名の入力】
・テンプレートの指示に従い、「氏名」欄にフルネームを入力します。
・ふりがな欄は「ひらがな」指定か「カタカナ」指定か必ず確認してから入力します。
・氏名欄だけフォントサイズを大きくしすぎると枠からはみ出す可能性があるため、指定サイズに従います。
【住所の入力】
・都道府県から省略せずに入力します。
・番地・建物名・部屋番号まで正確に記入します(建物名の省略は不可)。
・郵便番号欄が別にある場合は、ハイフンも含めて正しい表記で入力します。
・現住所と連絡先住所が異なる場合は、どちらを優先して連絡が届くか明確にします。
【連絡先の入力】
・日中に連絡が取れる電話番号を記入します(スマートフォンが一般的)。
・メールアドレスは誤入力が非常に多いため、入力後に必ず読み返して確認します。
・フリーメールでも問題ありませんが、記号が多すぎるアドレスは避け、分かりやすい形式がおすすめです。
基本情報欄は、書類全体の印象につながる重要な部分です。
テンプレートどおりに統一感のあるレイアウトで作成できると、読みやすく丁寧な印象につながります。
③ 学歴・職歴欄の書き方
【学歴・職歴欄の書き方】
学歴・職歴欄は、これまでの経歴を確認するための重要な項目です。
認定看護師教育機関では、臨床経験年数や現在の勤務状況を判断する資料として
詳細に確認されることが多いため、正確で分かりやすい記載を心掛けてください。
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【記載の基本ルール】
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・年月は「西暦」で統一します。
・学歴と職歴は、ひとつの欄で時系列に並べて記載します。
・最後の行に「現在に至る」を記載します(職歴欄の締めとして必須)。
・教育機関や勤務先の名称は正式名称を記載し、略称は使用しません。
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【学歴の書き方】
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・義務教育は「入学」ではなく「卒業」のみ記載するのが一般的です。
・看護学校・看護大学・専攻科などは正式名称で記載し、
「入学」「卒業」をセットで記載します。
・編入や転学がある場合は、その過程を省略せずに記載します。
<記載例>
2013年4月 〇〇看護専門学校 入学
2016年3月 〇〇看護専門学校 卒業
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【職歴の書き方】
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・所属部署や業務内容が判断されるため、
「病棟名」「診療科」「役職」を正確に記載します。
・異動が多い場合も省略せず、時系列で全て記入します。
・非常勤から常勤へ切り替わった場合など、
雇用形態は明記したほうが丁寧です。
・職歴が長く欄に収まらない場合は、
指定様式に従って「追加ページ」を別添します。
<記載例>
2016年4月 〇〇病院 入職(消化器内科病棟)
2020年4月 〇〇病院 異動(緩和ケア病棟)
2024年3月 退職
2024年4月 △△病院 入職(外科病棟)
2025年 現在に至る
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【注意点:フォント・形式】
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・多くのテンプレートでは「日付+行動の記述」を揃えるための
タブ幅(インデント)が設定されています。
無理にフォントを変えるとズレが生じるため、
指定フォントをそのまま使用してください。
・職歴欄だけ書式を変えると読みづらくなるため、
全体のフォント・サイズを統一します。
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学歴・職歴欄は、
「どのような臨床経験を積み、どんなキャリアを歩んできたか」
を示す重要な項目です。
正確さと統一感を大切に、読み手に伝わりやすい形式で作成しましょう。
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④看護分野における業績などの書き方
看護分野における業績欄は、これまでの研修参加状況、研究活動、教育・指導の実績などを整理する重要な項目です。
応募様式の構成に従い、1~4の項目ごとに簡潔かつ正式名称で記載します。
年度と主催者名を明記することで、活動内容の信頼性が高まり、読み手にも分かりやすく伝わります。
【記載の基本ルール】
・年度は「西暦」で統一します。
・研修名・学会名・研究会名・主催者名はすべて正式名称で記載します。
・箇条書きで簡潔にまとめ、実際の活動内容が過不足なく伝わるようにします。
・応募様式の枠内に収まらない場合は、別紙添付の可否を募集要項で確認します。
【1. 主な研修内容の書き方】
・研修名、主催者、実施年を明記します。
・看護職として参加した主要な研修のみを記載し、細かい院内研修は必要に応じて選択します。
<記載例>
2022年 緩和ケア研修会(EOLケア研修)修了(〇〇県看護協会 主催)
【2. 看護研究業績の書き方】
・学会名、研究会名、発表形式(口演・ポスター)、年度を記載します。
・共同演者の場合は、発表者名の後に「共同演者」などを付記します。
<記載例>
2021年 〇〇地方会学会 ポスター発表「終末期患者に対する疼痛緩和の取り組み」
2022年 〇〇看護研究会 口演発表「認知症患者の夜間せん妄に対する看護介入」
【3. 教育・指導の書き方】
・院内外での講義・指導内容、担当した役割を簡潔に記載します。
・年度・主催・内容が一目で分かるようにまとめます。
<記載例>
2023年 新人看護師技術研修「フィジカルアセスメント」講師(〇〇病院 教育委員会)
【4. その他の実績の書き方】
・表彰、委員会活動、地域活動など、応募分野に関連する内容をまとめます。
・関連性が低い内容は省き、看護実践に関わる活動を中心にします。
<記載例>
2023年 地域ケア会議(〇〇市)に看護職として参加
看護分野における業績欄は、それぞれの経験を整理し、読み手に伝わる形で構成することが大切です。
正式名称・西暦・主催者名を明確に記載し、応募書類全体として統一感のある記載を心掛けてください。
⑤ 写真貼付欄の注意点
履歴書に貼付する写真は、受験者本人を確認するための重要な書類の一部です。
指定様式では「最近3か月以内」「上半身・正面」「縦4cm×横3cm」などの条件が定められているため、必ず募集要項に従って準備してください。
【写真の撮影に関する注意】
・撮影時期は「最近3か月以内」が原則です。
・背景は無地(白・青・グレーなど)が望ましく、影が映らないようにします。
・表情は自然で、帽子やマスク、カラーレンズ眼鏡などは着用しません。
・制服やスクラブではなく、落ち着いた無地の服装が適切です。
【写真の貼付に関する注意】
・規定サイズ(縦4cm×横3cm)を厳守します。
・のりではなく、写真用の両面テープやスティックのりを使用して、四隅が浮かないように貼付します。
・裏面に「氏名」「撮影年月」などを書いておくと万一剥がれた際に識別できます。
・コピーやプリントアウトした写真は不可で、必ず写真店や証明写真機で撮影したものを使用します。
【写真の質について】
・ピントが合っていない、背景が乱れている、顔の一部が影にかかっている写真は避けます。
・スマートフォンの自撮りは原則不適切です。顔の歪み・影・画質の低下が起こりやすいためです。
・清潔感があり、落ち着いた印象の写真が選考において望ましいとされています。
履歴書の写真は、第一印象に関わる大切な要素です。
規定どおりのサイズと画質で準備し、丁寧に貼付することで、書類全体の印象が大きく向上します。
